予備自衛官関係給付金の対象となる独立行政法人
※当記事は公開情報を元に支障のない範囲で記述しておりますが、もし問題がある個所がありましたら筆者まで一報頂ければ幸いです。また記事の内容は投稿日現在のものです。
以前、官公庁は即応予備自衛官雇用企業給付金など、雇用企業に給付される給付金の対象外だということを紹介しました。
じゃあ独立行政法人はどうなるのか?
独立行政法人制度とは「各府省の行政活動から政策の実施部門のうち一定の事務・事業を分離し、これを担当する機関に独立の法人格を与えて、業務の質の向上や活性化、効率性の向上、自律的な運営、透明性の向上を図ることを目的とする制度(総務省ホームページより)」です。官庁と民間の中間的な組織に当たり、国の監督の元、ある程度の自立性をもって業務に当たる特殊な組織です。職員の身分も公務員(行政執行法人)の場合もあれば民間人の場合もあります。
有名なところでは造幣局や国立美術館が独立行政法人です。防衛省関係では独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構(エルモ)があり、在日米軍で働く労働者の雇用や労務管理を行っています。
予備自関係給付金の対象外については国、地方公共団体及びそれに準ずる者ですが、この「それに準ずる者」とは「法人税法(昭和四十年法律第三十四号)別表第一に掲げる公共法人」(要するに法人税の支払いを免除されている法人)となります。
この一覧の中に独立行政法人も記載されているわけですが、ここから少し事情が複雑になってきます。別表第一の記載は次の通り。
独立行政法人(その資本金の額若しくは出資の金額の全部が国若しくは地方公共団体の所有に属しているもの又はこれに類するものとして、財務大臣が指定をしたものに限る。)
つまり、独立行政法人の全てが対象というわけではなく、財務大臣が指定したものだけが別表第一の対象という事になります。では、「財務大臣が指定をしたもの」とはどれを指すのか。根拠となるのは以下の財務省告示です。
平成15年 財務省告示第606号 法人税法別表第一第一号の表独立行政法人の項の規定に基づき、法人税を課さない法人を指定する件
※現在は統廃合された独立行政法人も含まれるため注意。
対象となる独立行政法人があまりにも多いので詳細は上記のリンク先を参照して下さい。
例えば独立行政法人国立病院機構はこの告示一覧に入っていないため別表第一の対象ではなく、もし職員が予備自衛官になったとしても各種手当は受け取れることになります。もっともこの告示自体は平成15年発出で、その後独立行政法人は統廃合が繰り返された上に新たに設立されたものもあるため、実際の運用がどうなっているのかは最終的に所管官庁(担当は財務省主税局)への確認が必要だと思います。
もし独立行政法人に勤務している方で予備自衛官に任官している、もしくは志願しようとしている方は念のため地本に確認してもらった方がいいでしょう。
ちなみに似たような制度である国立大学法人や地方独立行政法人については法人税法別表第一に含まれておりますので給付金の対象外です。