予備自衛官雑事記

予備自衛官のあれやこれや

雑誌記事紹介

※当記事は公開情報を元に支障のない範囲で記述しておりますが、もし問題がある個所がありましたら筆者まで一報頂ければ幸いです。また記事の内容は投稿日現在のものです。

 

 新型コロナウィルス対応のため、予備自衛官が招集されるようです。

 

https://www.mod.go.jp/j/press/news/2020/02/13a.pdf

防衛省プレスリリースより)

 

 今回の招集は主に医師、看護師等の資格を持つ予備自衛官が対象との事。地震や台風に続き医療活動での招集ということで、予備自衛官の活用も一昔前に比べると幅が広がったな、という感じです。

 

 これから重要になってくるのは招集される予備自衛官の生活や、雇用企業に対する補償だと思いますが、防衛省自衛隊は実態に即した問題把握に努め、制度の改善に努めていってほしいと思います。

 

 あと、公務員が即応予備自衛官雇用企業給付金制度と雇用企業協力確保給付金制度の対象外になっているのはいい加減、何とかならないもんでしょうか? 公務員の予備自衛官が招集されても現行の制度では所属組織に対する補償は一切なしとか肩身が狭すぎるんですが・・・。

 

 さて、ここからが本題。

 

 予備自衛官に関する雑誌記事を2点見つけましたので紹介したいと思います。

 

 一つ目は防衛省が編集協力している雑誌「MAMOR」の2020年2月号。

www.fusosha.co.jp

 

 「いざ志願! おひとりさま自衛隊」の著者で予備自衛官補出身の岡田真理予備3曹が台風19号による災害招集の体験をルポとしてまとめたものです。着隊から離隊まで19日間の活動を紹介されています。

 

 岡田3曹は陸上総隊司令部報道官室に配属され主に広報の仕事に携わっていました。台風19号の時に陸上総隊司令部のツイッターを見ていた方は招集された予備自衛官の紹介などが投稿されていたことを覚えていると思いますが、その裏舞台がどうだったのかこの記事を読めば分かります。

 

 本業がプロのライターという事で、一般人にわかりやすい文章の作成等、自らの経歴を生かして業務に貢献できたとの事です。

 

 岡田3曹の場合はレアケースになるのかもしれませんが、防衛省はこれから先、予備自衛官の職業、資格、技能を把握したうえで、これを有事に際に生かしていこうと考えているようです。

 

 既に制度改正で予備自衛官等が施設器材(建設機械)の資格を保有している場合は災害派遣の現場で活用できるようになっていますが、その他の分野でも予備自衛官の能力に応じた運用を進め、限られた人的資源を有効活用できるようになればと思います。

 

 二つ目は「ビジネスガイド」2019年8月号。

www.horei.co.jp

 

 恐らくほとんどの人になじみのない名前かと思いますが、労働保険、社会保険、税務等に関する雑誌で、企業の労務担当者、社会保険労務士などを対象とした記事が多く書かれています。

 

 2019年8月号では「社員が予備自衛官になったら・・・~制度の概要と実務上の留意点~」と題し、社会保険労務士の専田晋一氏(予備3曹)が予備自衛官等制度の概要と予備自衛官を雇用する企業の実務対応について書かれています。

 

 このブログでも紹介した労働基準法第七条(公の職務)に予備自衛官は該当するのかという問題や、訓練招集時の休暇はどう処理するのか、就業規則予備自衛官をどう規定するか等々について事例等を含めて解説されています。予備自衛官等たる社員の処遇に関する規程例も掲載されていますので、予備自衛官だけでなく、雇用企業の人事関係者にも役立つ内容となっております。興味ある方はご参考にされてはいかがでしょうか。