予備自衛官雑事記

予備自衛官のあれやこれや

コア部隊が廃止される件

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 令和4年12月16日に安保3文書(「国家安全保障戦略」・「国家防衛戦略」・「防衛力整備計画」)が発表されました。

 

www.mod.go.jp

 

 この防衛力整備計画の中で、コア部隊の廃止するとしています(P12)。

 

 スタンド・オフ防衛能力、サイバー領域等における能力の強化に必要な増員所要を確保するため、即応予備自衛官を主体とする部隊を廃止し、同部隊所属の常備自衛官を増員所要に充てる。また、即応予備自衛官については、補充要員として管理する。

 

 また予備自衛官制度についての言及は以下の通り(P26)。

 

 作戦環境の変化や自衛隊の任務が多様化する中で、予備自衛官等が常備自衛官を効果的に補完するため、充足率の向上のみならず、予備自衛官等に係る制度を抜本的に見直し、体制強化を図る。このため、即応予備自衛官及び予備自衛官が果たすべき役割を再整理した上で、自衛官未経験者からの採用の拡大や、年齢制限、訓練期間等について現行制度の見直しを行う。

 

 コア部隊を廃止するという事は、即自については地本の管理となり、予備自と同じような形式で訓練に参加するという形になるのでしょうか。昔みたいに各部隊の中で1個中隊(大隊)をコア部隊にして運用するなんてことはもうしないと思いますので、平時は各部隊が実施する即応予備自衛官招集訓練に参加し、有事に招集された際は必要に応じてそれぞれの部隊に配属されるという形になるのか?

 

 防衛省は人員増を行うことなく既存人員の割り振りで防衛力を強化しようとしているようですが、コア部隊の廃止についてはそのせいで割を食った形に見えます。昨今の募集難や中途退職者の増加を見れば仕方がない事かもしれませんが・・・。