予備自衛官等関連資料 POWER RESERVE第52号(2021年度版)
パワーリザーブとは予備自衛官等制度について防衛省が毎年発刊している冊子である。内容は予備自衛官等制度の紹介、予備自衛官等の活動状況、予備自衛官等や訓練に関わる現職自衛官、雇用企業、予備自衛官等の家族による投稿文等からなる。
今回は令和2年7月豪雨と新型コロナウィルスでの災害派遣が特集されていたが、前年度の第51号と違ってネット上まだ公表されていないようなので、参考までに摘録したいと思う。
令和2年度7月豪雨における活動実績
令和2年7月5日に即応予備自衛官の招集実施命令が、7月9日に予備自衛官の招集実施命令がそれぞれ発出される。※熊本県知事の災害派遣要請は7月4日。
派遣部隊及び活動概略は以下の通り。即応予備自衛官300名、予備自衛官54名が活動。
第19普通科連隊(福岡)
活動人員・期間 即応予備自衛官 104名(R2.7.10~R2.7.15)
予備自衛官 48名(R2.7.15~R2.7.19)
活動内容 災害廃棄物の除去、輸送支援
第24普通科連隊(えびの)
主な活動地域 人吉市
活動人員・期間 即応予備自衛官 85名(R2.7.10~R2.7.15)
活動内容 廃棄物の除去
西部方面後方支援隊
第101弾薬大隊(目達原)
第103弾薬大隊(目達原)
第105補給大隊(大分)
活動人員・期間 即応予備自衛官 111名(R2.7.8~R2.7.18)
活動内容 輸送支援
西部方面衛生隊(健軍)
活動人員・期間 予備自衛官 6名(R2.7.13~R2.7.18)
活動内容 巡回診療支援、保健衛生指導
※衛生職種の技能公募予備自衛官
新型コロナウィルスの感性防止における活動実績
令和2年2月13日に予備自衛官の招集実施命令を発出。税務大学校と自衛隊中央病院で活動。予備自衛官10名。※技能公募予備自衛官
活動人員・期間 予備自衛官(看護師) 2名(R2.2.18~R2.2.22)
活動内容 健康管理支援
活動人員・期間 予備自衛官(医師) 1名(R2.3.2~R.2.3.11)
活動内容 医務業務
活動人員・期間 予備自衛官(看護師) 3名(R2.2.25~R2.3.11)
活動内容 看護業務
活動人員・期間 予備自衛官(語学要員)4名(R2.2.27~R2.3.5)
活動内容 通訳支援
なお、予備自衛官等の全員が全期間を通じて招集されていたわけではなく活動期間の一部のみ招集されていた予備自衛官等も存在する。
第19普通科連隊では一般の予備自も招集されているが、即自とは別に活動していた模様。私見だが、予備自衛官の普通科出身者で即自対象年齢の者については上限の20日間までコア部隊(普通科連隊)で即自と一緒に訓練を受けられるようにしてはどうだろうか。
即自については3日間訓練や4日間訓練に出頭しなければならないが、予備自衛官のコア部隊訓練参加者は通常の5日間訓練に出頭すれば、後は週末2日間×7回等の訓練参加でも良いようにする(もちろん本人の都合が良ければ3~4日間の訓練に参加可能)。但し、手当については予備自衛官としての金額が支払われる。もし仕事や家庭の事情で忙しい年は参加日数を減らしても良い。要するに即自と予備自の中間的な存在を作るのである。
これならば普段から即自と訓練することにより、災害派遣時に即自と予備自が混成で活動するにもハードルは低くなるだろう。また年間最大20日の訓練を受けられるので練度の向上も期待できる。面倒な法改正も必要ないのも利点だ。