予備自衛官雑事記

予備自衛官のあれやこれや

隊員自主募集と予備自衛官

※当記事は公開情報を元に支障のない範囲で記述しておりますが、もし問題がある個所がありましたら筆者まで一報頂ければ幸いです。また記事の内容は投稿日現在のものです。

 

 「隊員自主募集」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 簡単に言えば現職自衛官予備自衛官等の紹介で採用試験を受けて入隊する制度です。少し前までは縁故募集と呼ばれていました。

 

 紹介と言っても自衛官予備自衛官が部隊や地本に「自衛隊に興味を持っている人がいますよ」と連絡先を伝えるだけで、実際に志願者と連絡を取って募集業務に当たるのは地本の広報官です。その後の手続きは採用試験を含めて一般の志願者と何ら変わりません(採用試験に落ちたりして入隊しなかった場合は隊員自主募集にはならない)。

 

 昨今の募集難から自衛隊では隊員自主募集にも力を入れており、予備自衛官の訓練招集でも地本や訓練担当部隊から「自衛隊に興味がある人がいれば連絡ください」とよく言われます。

 

 この隊員自主募集ですが、もし予備自衛官が志願者を紹介して実際に入隊した場合には、予備自衛官本人にもメリットがあります。隊員自主募集は賞詞の対象となっており紹介した人数によって防衛記念章を着用することが出来るようになるのです。

 

 具体的な人数は以下の通り。

 

単年度で1名入隊等   5級賞詞 第13号防衛記念章

 

単年度で3名入隊等

2年連続2名入隊等   4級賞詞 第9防衛記念章

累計で10名入隊等

 

単年度で5名入隊等

2年連続4名入隊等   3級賞詞 第5号防衛記念章

3年連続3名入隊等

累計で15名入隊等

 

詳細はこちら。

www.mod.go.jp

 

 かつては予備自衛官等が新たに取得した防衛記念章を着用することは出来ませんでしたが、令和2年の制度改正により予備自衛官等として取得した防衛記念章も制服に着用することが出来るようになりました。

 

 まぁ、これが大したメリットかと言われればそうでもないかもしれませんが、現状では予備自衛官等が新たに防衛記念章を取得するのは隊員自主募集か災害派遣招集しかありませんので、もし機会があれば制度を活用していただければと思います。