予備自衛官雑事記

予備自衛官のあれやこれや

自衛隊の経験を公務員試験で生かすために

※当記事は公開情報を元に支障のない範囲で記述しておりますが、もし問題がある個所がありましたら筆者まで一報頂ければ幸いです。また記事の内容は投稿日現在のものです。

 

 事務職や技術職の公務員試験において自衛官(もしくは元自衛官)の経歴はプラスになることはあれどマイナスになることは基本的にありません。ただし、そのプラスの幅が大きくなるか、小さくなるかについては人によって変わってきます。

 

 現在の公務員試験では人物評価の配点が大きくなっています。新卒の方は在学中にどんなことをしてきたのか、社会人経験がある人は「その職場においてどのような立場で、どのような仕事をして、どのような成果を上げたのか」についてエントリーシート職務経歴書等の資料を元に面接試験を通じて見られることになります。

 

 自衛隊経験者は当然ながら社会人経験があると見なされますし、面接官も自衛官という経歴には食いついてきます。そこで自衛官としてやって来たこと、得たことを上手くアピールできれば採用される確率は上がりますし、逆に「こいつはただ自衛隊にいただけだ」と思われれば他の受験者に差をつけることは出来ないでしょう。

 

 そこでまず大事なのは、申込書の記入となります。公務員試験では申込書類に個人情報だけでなく志望動機や「これまでの仕事で頑張ったこと」、「自己PR」等エントリーシート的な内容を記入する欄があることが一般的です(試験会場で制限時間を設けて書かされる場合もあるが、本番でいきなり書ける訳がないのでやはり事前にある程度内容をまとめておくことが必要)。この際に、自衛隊でどのように仕事をしてきたかを上手にPR出来なければなりません。

 

 単純に「辛かったけど頑張りました」等と書いても駄目で、自衛隊において「どのような問題に直面し」、「どのような方法で」、「どのような成果を上げたか」、「結果として自分が何を学んだか」が重視されます。

 

 「公務員なのに成果とかどうやって書くんだ」と思われるかもしれませんが、例えば検閲で表彰された、競技会で1位を取った、新隊員教育隊の班付でこんな指導をした等、書けるネタは探せばあると思います。そういった経験を元に「公務員になったらこの経験をこんな風に生かして行きたいです」と一般社会向けに落とし込んでいければ好印象でしょう。

 

 1任期で退職する予定の方にとっては、実績を書くことは中々難しいとは思いますが、例えば自分の参加した競技会で所属中隊が1位になった経験があるならば、陸士として積極的に意見具申し中隊の1位獲得に貢献した等の内容を具体的に書けば成果になるのではないかと思います。1任期でも自衛隊に居れば所属する部隊が表彰されたり優勝したりという機会は1回ぐらいあると思うので、そこから話を膨らませていくわけです(全く嘘を書くのは駄目ですが、少しぐらい話を”盛る”のは個人的にはありかなと思います)。

 

 逆に言えば、公務員試験に限らず将来自衛隊から転職したいと考えている方は上記のような事を考えながら日々の勤務に取り組むと、転職するときにも手持ちのネタが多くなりアピールもしやすくなります。上手に文章を書くことができれば、頭の中でもある程度自分のPRポイントをまとめることができ、実際の面接で色々聞かれても滞ることなく答えられるようになるかと思います。

 

 自衛隊という職歴はやはり一般の企業よりは目立つので面接試験で他の受験者よりも注目してもらえる確率も高くなります。ただ、そこを生かし切れるかどうかは個人ごとの取り組みにかかってきます。公務員を目指されている方は、自衛官という特性を最大限に生かして是非とも最終合格を勝ち取っていただきたいと思います。