海外の予備役はどれくらい訓練を受けているのか?
※当記事は公開情報を元に支障のない範囲で記述しておりますが、もし問題がある個所がありましたら筆者まで一報頂ければ幸いです。また、記事の内容は投稿日現在のものです。
現在、予備自衛官は年間5日(正確には20日以内)、即応予備自衛官は年間30日の訓練招集を義務付けられています。良く、「年間5日しか訓練を受けていない予備自が有事に何の役に立つんだ」みたいなことを言われたりもしますが、それでは諸外国の予備役はいったい何日ぐらい訓練を受けているのでしょうか。
気になったので、とりあえずウィキペディアと数か国の陸軍のホームページを参考に調べた結果をご紹介したいと思います。ただし、著者は外国語がからっきし駄目なため、グーグル翻訳が頼りです。必ずしも正確な情報とは限りませんので誤りがありましたらご指摘いただけると幸いです。
アメリカ陸軍予備役ホームページ
アメリカ陸軍の予備役は州兵と同じく年間39日の訓練を受けます。訓練日数は月1回の週末訓練と年1回の2週間訓練から構成されているようです。この他に、予備役登録はされているが訓練は受けない予備役も存在します。
カナダ
カナダ軍ホームページ
アメリカのお隣のカナダ軍。ウィキペディアの情報ですが一般的な予備役は年間最低14日間の訓練に参加する義務があるとのことです。
イギリス
イギリス陸軍予備役ホームページ
イギリス陸軍には通常の予備役と一般人志願者からなる国防義勇軍が存在します。国防義勇軍については軍隊未経験者を訓練し予備役の軍人とするもので、我が国の予備自衛官補に相当する制度と言えます。
陸軍予備役の訓練日数については分かりませんでしたが、国防義勇軍の年間訓練日数についてはウィキペディアの日本語版記事によると、所属部隊により2週間の合宿を含む19日から27日以上の訓練を義務付けられているとの事です。
フランス
フランス軍予備役ホームページ
フランス国民衛兵ホームページ
徴兵制の本場(廃止されましたが)、フランス軍です。訓練招集日数の下限については情報がありませんでしたが、フランスの労働者は予備役として活動するため年次休暇とは別に年間8日間(公務員及び中小企業の場合は5日間)、雇用者の許可なく休みを取ることができるとの事です。また公務員については年間30日間、予備役活動の為に有給休暇が取れるそうです(何とうらやましい!)。
以上、各国の制度を見てきましたが、年間約15~40日位の訓練を課しているところが多い印象です。即応予備自衛官が諸外国の予備役に相当するといったところでしょうか。ただ、予備役登録のみで訓練参加義務はない予備役コースがある国もありますのでここら辺は一概には言えません。
意外だったのが軍隊未経験者を訓練して予備役軍人にする制度を導入している国が結構多いこと。上で紹介したイギリスの国防義勇軍の他にフランスの国民衛兵も一般人を対象に予備役軍人を育成しています。また、アメリカ陸軍でも新兵教育終了後にそのまま予備役へ編入されるコースもあるようです。
イギリスの国防義勇軍についてはアフガニスタンの対テロ戦争等で実戦に投入され、またフランスの国民衛兵は国内のテロ対策に動員されています。
今年度から一般公募予備自衛官から即応予備自衛官への志願が可能となりましたが、自衛隊の志願者減少に悩む日本では、今後このような人材活用も積極的に考えていかねばならないのかもしれません。
多分、一番のネックは訓練日数の確保になると思います。ここら辺は予備自衛官も20日を上限として何回でも訓練招集を認めたり出来ればなと思います。自衛隊に余裕がないなら隊友会あたりで補備教育になるようなセミナーを実施する等出来ればいいのですが、やはりそう上手くはいきませんかね・・・。