予備自衛官雑事記

予備自衛官のあれやこれや

予備自衛官が災害招集時で生かせる建設機械関係の資格

※当記事は公開情報を元に支障のない範囲で記述しておりますが、もし問題がある個所がありましたら筆者まで一報頂ければ幸いです。また記事の内容は投稿日現在のものです。

 

※12/24追記 記事投稿後に気が付いたのですが、防衛省予備自衛官制度のホームページに関連資料が公開されていました。まずはこちらをご確認ください。

 

  既に防衛省ツイッターで広報されておりますが、平成30年10月の規則改正により、災害招集中の予備自衛官及び即応予備自衛官による施設機械(重機)の操縦が可能となっています。

 

twitter.com

 

予備自衛官の任免等細部取扱いに関する達 第18条第4項

 災害招集においては、予備自衛官が施設機械操作に係る国家資格を保有し、次の各号に該当する場合、前3項によることなく、災害招集終了までの間、陸上自衛隊の施設機械を操作できるものとする。

(1)施設機械操作に関連する業務に1年以上従事

(2)中隊長等が職務上必要であると認めること

(3)施設科部隊長(施設群長、施設大隊長、施設隊長、施設器材隊長、施設教導隊長及び教育支援施設隊長)が別に示すところにより、施設機械の操作技能を認めた場合

 

 

即応予備自衛官の任免等細部取扱いに関する達 第12条第3項

 災害招集においては、即応予備自衛官が施設機械操作に係る国家資格を保有し、次の各号に該当する場合、前2項によることなく、災害招集終了までの間、陸上自衛隊の施設機械を操作できるものとする。

(1)施設機械操作に関連する業務に1年以上従事

(2)中隊長等が職務上必要であると認めること

(3)普通科連隊長又は施設科部隊長(施設群長、施設大隊長、施設隊長、施 設器材隊長、施設教導隊長及び教育支援施設隊長)が別に示すところにより、施設機械の操作技能を認めた場合

 

 というわけで、台風19号に伴う災害派遣では実際に即応予備自衛官予備自衛官が施設機械を操作して災害廃棄物処理や道路啓開等の任務に当たったようです。

 

 それでは、この「施設機械操作に係る国家資格」とは何ぞや? と疑問に思う方もあるかもしれません。公式の情報ではいまいちはっきりしないのですが、恐らく該当するであろう資格について紹介していきたいと思います。

 

車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習

小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育

 

 油圧ショベルユンボ)、バケットローダー、ブルドーザー等の運転や操作をするために必要な資格です(公道を走るには別途、大型特殊自動車免許の取得が必要)。技能講習と特別教育の違いは技能講習が機体重量3トン以上の建設機械を操作できるのに対し、特別教育は機体重量3トン以下と制限が設けられています。ただし、必要な履修時間は技能講習が38時間(約5日)なのに対し、特別教育は13時間(2日)以上と大幅に短くなっています。

 

 教習所についてはコマツやコベルコ等、建設機械メーカーの教習所で受講することができます。料金については例えばコマツ教習所東京センタの場合、技能講習で10,7000円、特別教育で1,7000円です。

 

www.komatsu-kyoshujo.co.jp

 

 なお、技能講習は大型特殊免許を有するなど一部の資格保持者等は講習時間が短縮され、それに伴い料金も安くなっています。もし大型特殊免許も免許を取得しようとしている場合は大型特殊免許を取得してからの方がお得になります。

 

 自衛隊の建設機械の場合、特別教育で操縦できるのは普通科連隊の各中隊等に配備されているミニユンボ位のもので、施設科の持つ大型油圧ショベルになると余裕で3トンを超えています。現場での活躍の幅は技能講習の方が広がるでしょう。

 

 また、建設機械全般に言える事ですが、資格を取っても普段から操縦に慣れている人でなければ現場では全然役に立ちません。逆に土木の仕事に就いている方は取って損になる資格ではないので挑戦してみるのも良いでしょう。

 

不整地運搬車運転技能講習

 

 不整地運搬車を運転するための資格です。不整地運搬車とは何ぞや? と思われるかもしれませんが、自衛隊装備で言えば資材運搬車のことです。

 

 ちなみに車両系建設機械と同じように不整地運搬車運転特別教育もあるのですが、資材運搬車の最大積載量は特別教育で運転可能な制限である1トンを超過しているため、自衛隊で役立つのは技能講習の方になります。

 

大型特殊免許

 

 技能講習や特別教育は現場で建設機械を操作するための資格ですが、こちらは建設機械(但しナンバープレートがついているもの)で公道を走行するための免許です。

 

ラフテレーンクレーン(クレーン操作には別途「移動式クレーン運転士」の資格が必要)などが代表的ですが、バケットローダーや資材運搬車も公道上を走る場合は大型特殊免許が必要です。

 

 取得費用は教習所にもよりますが、普通免許取得者で概ね10万円程度。ただし、各都道府県の運転免許試験場で技能試験(いわゆる一発試験)に合格すれば数千円で取得できる可能性もあります。

 

 大型特殊の一発試験はほかの試験と違ってそれほど難易度も高くないとのこと(試験に使われる車両はバケットローダーが多いようです)なので、普段、仕事で運転されていて腕に自信のある方は挑戦してみるのも手かと思います。

 

 

 以上、紹介してきましたが、この他にも建設機械施工技士、クレーン運転士、フォークリフト運転者、車両系建設機械(解体用)技能講習など、災害派遣の現場において役立ちそうな操作関係の国家資格は数多くあります。

 

 防衛省が具体的にどのような運用を考えているかは、公式な情報が無い為まだ何とも言えませんが、もし、現在の職場に関係ある国家資格でキャリアアップにつながりそうなものがあれば積極的に取得してみてはと思います。