予備自衛官雑事記

予備自衛官のあれやこれや

令和2年7月豪雨に対する予備自衛官等招集について

※当記事は公開情報を元に支障のない範囲で記述しておりますが、もし問題がある個所がありましたら筆者まで一報頂ければ幸いです。また記事の内容は投稿日現在のものです。

 

 九州南部の豪雨災害に即応予備自衛官招集されています。即自についてはツイッター等を見る限り生活支援を主に従事しているようです。近年は大型災害が頻発し災害派遣によって訓練時間が削られる等の影響も出ていると聞きますが、即自の招集はその点においても現職自衛官の負担を軽減する効果があると思います。

 

 特に生活支援は本来の担い手である地方自治体が慢性的な人手不足(というか災害時の行政需要を考慮せずに人員を削減しまくっている)のため長期化しがちな業務ですので、即自の活用は通常訓練に与える影響を減らすことにもつながるでしょう。

 

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 また、今回は予備自衛官についても最大100名を招集するとの事です。地本がコア部隊と受け入れ調整を行っているとの事で、招集された予備自についてはコア部隊で即自と共に任務に当たることになるのかもしれません。

 

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 自然災害における予備自衛官の招集は令和元年台風19号以来ですが、当時招集された予備自衛官の業務は司令部勤務が多く、現場で重機のオペレーター等として活躍したのは定年退官組が殆どでした。今回は恐らく若年退職者や公募予備自も即自と同様の任務に就くと思われますので、災害派遣予備自衛官招集も回数を重ねるたびに運用の幅が広がっているように感じます。

 

 招集された予備自衛官が今回はどのような任務に就くのかまだ分かりませんが、やはり実際に活用してこそ制度は改善されていくものです。今回の経験を活かし防衛省自衛隊予備自衛官運用も更に洗練されたものになってくれればと思います。