予備自衛官雑事記

予備自衛官のあれやこれや

防衛省・自衛隊の人的基盤の強化に関する有識者検討会と予備自衛官

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 防衛省の人的基盤強化のため設置されていた「人的基盤の強化に関する有識者検討会」が防衛大臣宛に報告書を提出したとの事です。予備自衛官等制度については従来から提言されていた事(採用条件の緩和やインセンティブの付与等)が主ですが、会議資料を見ると色々分かることもあります。

 

 地味ですが議論が進んでいるんだなと思ったのは、第4回会議資料2の16ページに重点検討項目として挙げられている「公務員が訓練等に応じて、平素の勤務先を離れる場合、給与が減額されるため有給休暇を取得」について。

 

 これは佐藤正久参議院議員が国会で何度か言及されていましたのでその影響かとは思います。何かというと、公務員の予備自衛官については招集訓練参加に職務専念義務の免除(職免)を認める明確な根拠がない(防衛省は下記で述べる通り一応根拠はあると考えている。ちなみに消防団については「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律(消防団充実強化法)」を根拠として職免が認められる)ため、年次有給休暇を使って参加せざるを得ない場合があるのですが、これを消防団と同じように職免で訓練参加できるようにしようという話です。

 

 一応、防衛省の考えとしては「予備自衛官等を兼ねる国家公務員等が訓練招集等に応じた場合の勤務先である所轄庁の取扱いについて(通知)」において国家公務員法第104条及び地方公務員法第24条に基づき訓練参加は職免とすることが基本との考えですが、国家公務員はともかく地方公務員については勤務先自治体の裁量によるため、法改正により消防団充実強化法のような確たる根拠を作ることが望ましいでしょう。

 

 更に言えば、消防団充実強化法第10条のような規定を盛り込めれば言うことはないのですが。

 

(公務員の消防団員との兼職に関する特例)

第十条 一般職の国家公務員又は一般職の地方公務員から報酬を得て非常勤の消防団員 と兼職することを認めるよう求められた場合には、任命権者(法令に基づき国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百四条の許可又は地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三十八条第一項の許可の権限を有する者をいう。第三項において同じ。)は、職務の遂行に著しい支障があるときを除き、これを認めなければならない。

2 前項の規定により消防団員との兼職が認められた場合には、国家公務員法第百四条の許可又は地方公務員法第三十八条第一項の許可を要しない。

3 国及び地方公共団体は、第一項の求め又は同項の規定により認められた消防団員との兼職に係る職務に専念する義務の免除に関し、消防団の活動の充実強化を図る観点からその任命権者等(任命権者及び職務に専念する義務の免除に関する権限を有する者をいう。)により柔軟かつ弾力的な取扱いがなされるよう、必要な措置を講ずるものとする。