予備自衛官雑事記

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大型特殊自動車免許を一発試験で取ってみた

 

※当記事は公開情報を元に支障のない範囲で記述しておりますが、もし問題がある個所がありましたら筆者まで一報頂ければ幸いです。また記事の内容は投稿日現在のものです。

 

 大型特殊自動車免許とは文字通り公道上で大型特殊自動車を運転できる免許で、略して「大特免許」等と言ったりもします(あくまで公道上を運転できるだけで、現場で操作する場合は別に資格が必要です)。「大型特殊自動車ってなんじゃい」と思われる方もいるかもしれませんが、一般の方が公道上でよく見るのはラフテレーンクレーンやトラッククレーンでしょうか。

 

ja.wikipedia.org

 

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 その他にも大型特殊自動車に該当するものはたくさんあり、自衛隊の持つ器材では油圧ショベルバケットローダ、資材運搬車等が該当します。

 

 今回、大特免許を取ろうとした理由は、職場で建設機械を操作する機会がたまにあるのでせっかくだから大特免許も取ってみようと思ったことと、大型特殊自動車免許を持っていれば、車両系建設機械やフォークリフト、不整地運搬車等の技能講習(器材を工事現場で操作するための資格)の科目が一部免除されて資格が取りやすくなるからです(自衛隊でカタピラ限定の大特免許を取得されている方は免除の対象にならない場合があります。その場合はまず限定解除が必要です)。

 

 また、防衛省では施設器材操作に必要な国家資格を持つ予備自衛官災害時に活用する方針ですので、大特免許を持っていれば災害招集時に少しはお声も掛かりやすいのでは…という目論みもありました。

  

 大特免許を取得するためには自動車教習所に通うか、運転免許試験場で技能試験(所謂、一発試験とか飛び入り試験とか言われるもの)を受ける方法があります。

 

 教習所に通う場合は、十数万円の費用が掛かりますが、普通自動車免許を取得していれば技能教習6時間と卒業検定だけで、最短4日程で免許が取得できます。

 

 一方、運転免許試験場の技能試験では試験料が一回4050円、合格時の免許手数料が2050円ですので、もし一回の受験で合格できれば6100円で大特免許が所得出来ます。ただし、試験は平日しか行っていない上に不合格の場合は何回も受け直さなければなりません。

 

 今回は、職場で建設機械を操作している事もあって基本的な運転方法は分かっていたことと、大型特殊の技能試験はそんなに難しくないと聞いていたため一発試験を選択しました。

 

 結果としては4回目で合格することができました(これで夏期休が消えました(泣))。

 

 私は職場でバケットローダを操作しており、試験場の車両もバケットローダだったので、これは1回で合格できるのでは? と思ったのですがそこまで甘くなかったですね…。

 

 試験の内容や操作方法等はネット上にたくさん出ていますのでそちらを参考にしていただければと思います。ただ、試験場によってやり方が違う場合もあるので、試験前に行われる試験官の説明はよく聞いておきましょう。

 

 ここでは私が失敗した点を挙げていきますので、もしこれから大特の一発試験を受けようかという方は他山の石にでもして頂ければ幸いです。

 

1回目

 方向転換で脱輪してしまい、不合格。普段乗っているバケットローダは小型で後方の視界も良いタイプだったためバックの時は直接目視で確認していたのですが、その癖が仇となり、サイドミラーを見ずに後退して脱輪してしまいました。終了後に試験官から「他はだいたい出来てたんだけどなぁ~」と言われ空しく家路につきました。

 

2回目

 踏切が鳴っているのに進入してアウト。私が受けた試験場では大特については踏切で窓を開閉しなくてもいいと言われていました。警報機のライトを確認し、更に左右を確認したのですが、その間に警報機が鳴りだしたみたいで、窓を閉めたままの上にバケットローダはエンジン音もうるさいため、警報音にも気づかず進んでしまいました。次からは最後に警報機を確認して進むようにしました。

 

3回目

 ここまで来てまさかの半ドアとバケットの高さ不足。しかも慌ててセンターラインを踏むおまけつき。ドアは結構勢いよく閉めたはずなのですが、念のため完全に閉まっているか確認すべきでした(半ドアだと押し引きすると少し動く)。バケットは50cm以上、上げてから発進しなければならないのですが、若干足りてなかったみたいです。基本的に50cm以上なら運転に支障が無ければ問題ないみたいなので、心持ち高めに上げるのが良いと思います(高すぎるとふらつきの原因になりますが)。

 

4回目

 特に何事もなく合格。試験終了後も試験官から「合格予定です」と言われただけで、これまでのは何だったんだと思うぐらいあっさり終わりました。

 

 なお、試験に合格しても試験場によっては免許発行までだいぶ待たされる場合があります。私の場合は順番が早かったため10時前には試験が終了しましたが、免許証が交付されたのは14時位でした。昼食ぐらいしかやることが無かったので、暇つぶしに何か持って行っても良いかもしれません。

 

 免許発行時にはいきなり印鑑を用意してくださいと言われて驚きました。結局、サインでも良いとの事でしたが、これも試験場によるかと思いますので申し込み時に確認した方が良いと思います。

 

 結局、かかった費用は以下の通り。

 

試験料    4050円×4=16200円

免許手数料          2050円

合計            18250円

 

 思ったより回数はかかりましたが、教習所に通うよりはだいぶ安くなったので自分としては満足しています。