予備自衛官雑事記

予備自衛官のあれやこれや

予備自衛官の資格昇進に関する注意点

※当記事は公開情報を元に支障のない範囲で記述しておりますが、もし問題がある個所がありましたら筆者まで一報頂ければ幸いです。また記事の内容は投稿日現在のものです。

 

※制度運用について最新の情報を確認されたい方はまず最寄りの地本にご連絡ください。

 

 以前の記事で、元自衛官予備自衛官や一般公募予備自衛官が一定の資格を取得した場合、階級が上がるという話をしました。

 

reserve-f.hatenablog.com

 

 実はこの資格による昇進について、元自の予備自と一般公募予備自とでは扱いに差があります。

 

 一般公募予備自衛官の場合、技能公募予備自衛官に該当する資格を取得し地本に申告を行うと、技能公募予備自衛官と同じ扱いとなります。そのため即応予備自衛官に志願することは出来なくなりますが、階級が昇進し技能訓練にも参加することができるようになります。

 

 一方、元自の予備自衛官の場合も資格を取得すると昇進はするのですが、技能公募予備自衛官とは別の「技能予備自衛官」という区分になります。この区分は即応予備自衛官に志願することができず、また技能公募予備自が対象の技能訓練にも参加できません。

 

 技能公募予備自と同じ資格を持っているんだから技能訓練に参加したって問題ないだろうと思うのですが、現在の運用では無理みたいです。何とも中途半端な形ですが、資格を持っているので地本に申請しようとしている予備自の方はご注意ください。

 

 個人的には元自の予備自衛官が資格で昇進する意味合いはあまりないと思っています。即応予備自衛官に志願することは出来なくなりますし、技能訓練にも参加できないので身に着けた専門技能を生かす機会もありません。陸士長の志願上限が37歳だったころは上限年齢を引き延ばせる(例えば資格を取得して予備3曹に昇進すれば、その後何らかの事情で予備自を退職しても55歳までは再志願できる)という利点もありましたが、現在は陸士長の年齢上限も55歳まで引き上げられたのであまり意味は無くなっています。

 

 技能訓練に参加できるようにするか、保有する資格に応じて即応予備自衛官に志願することができる(例えば看護師の場合はコア部隊の本部管理中隊衛生小隊、建設機械施工技士の場合は施設作業小隊など)とすればまだ意味はあると思うのですが・・・。元自の予備自衛官の場合、部隊勤務経験があるのですから、コア部隊の任務に適合する資格を持つ技能予備自衛官については即応予備自衛官に採用しても良いのではないでしょうか。

 

 ちなみに、即応予備自衛官では保有する資格はほぼ考慮されません。そのせいで医師免許を持っているのに軽火器小隊長をしている幹部がいたり(こちらを参照。さすがに災害派遣中は医官として勤務されたみたいです)、私の知っている範囲でも看護師免許を持っていて普段は病院に勤務しているのに即自の時は全然関係ない役職についている人が普通にいました(だいぶ前の話なので今は変わっているかもしれません)。

 

 自衛隊側としても色々と事情があるとは思いますが、さすがにここら辺はもうちょっと効率的な運用ができると思いますので何とかして欲しいところではあります。