予備自衛官雑事記

予備自衛官のあれやこれや

予備自衛官をやる上で知っておきたいお金の話

※当記事は一般公開しても支障のない範囲で記述しておりますが、もし問題がある個所がありましたら筆者まで一報頂ければ幸いです。また記事の内容は投稿日現在のものです。

※R4.11.03改稿

 

 お金の為だけに予備自衛官をやっている人はそうそういないと思いますが、実際にいくらもらえるのかというのは結構気になる話です。今回は予備自衛官即応予備自衛官予備自衛官補の手当について紹介していきたいと思います(なお、金額は記事投稿日時点でのものです。また源泉徴収分は考慮していませんのでよろしくお願いします)。

 

予備自衛官

 予備自衛官の手当は毎月支給される「予備自衛官手当」と年5日の訓練招集に出頭すると支給される「訓練招集手当」の二つ。予備自衛官の場合、階級による手当額の差はないので2等陸士から1等陸佐まで支給される金額は一緒になります。詳細は以下の通り。 

 

予備自衛官手当 4,000円×12カ月=48,000円

訓練招集手当  8,100円×5日=40,500円

合計 88,500円

公募予備自衛官から即応予備自衛官任用への基本特技取得のための訓練招集手当は日額8,300円

参照

防衛省の職員の給与等に関する法律第二十四条の三第2項

防衛省の職員の給与等に関する法律施行令第十七条の十四第1項

 

 なお、予備自衛官は「方面総監が必要と認めるときは合計して年間20日を超えない範囲で特別な招集訓練に参加可能」(予備自衛官中央訓練や予備自衛官転地訓練など)ですのでそれらの訓練に参加した場合は受け取る手当も増えることになります。

 

即応予備自衛官

 毎月支給される「即応予備自衛官手当」と訓練招集(年間30日)に出頭すると支給される「訓練招集手当」があります。即応予備自衛官の場合は階級により「訓練招集手当」に差があるので総支給額も階級で変わります。詳細は以下の通り。

 

即応予備自衛官手当(全ての階級で共通) 16,000円×12カ月=192,000円

訓練招集手当

 2尉       14,200円×30日=426,000円

 3尉       13,700円×30日=411,000円

 准尉、曹長、1曹 13,200円×30日=39,6000円

 2曹       12,600円×30日=37,8000円

 3曹       11,300円×30日=339,000円

 士長、1士    10,400円×30日=312,000円

 

従って30日全て出頭した場合の年間支給総額は以下のようになります。

 

 2尉       618,000円

 3尉       603,000円

 准尉、曹長、1曹 588,000円

 2曹       570,000円

 3曹       531,000円

 士長、1士    504,000円

 

 この他に1任期(3年)を良好な成績で勤務すると支給される「勤続報奨金」120,000円があります。

 

参照

防衛省の職員の給与等に関する法律第二十四条の四第2項

防衛省の職員の給与等に関する法律施行令第十七条の十四第1項

防衛省職員給与施行細則第12条の2第1項

自衛隊法施行規則第八十六条の三第1項

 

予備自衛官補

 「教育訓練招集手当」のみとなります。予備自衛官補は「一般」と「技能」に分かれますが、手当の額に違いはありません。ただし、訓練日数が異なるため(「一般」は3年以内に50日、「技能」は2年以内に10日)総支給額は変わってきます。詳細は以下の通り。

 

教育訓練招集手当

予備自衛官補(一般) 8,500円×50日=425,000円

予備自衛官補(技能) 8,500円×10日=85,000円

 

参照

防衛省の職員の給与等に関する法律施行令第十七条の十五第1項

 

 これらの手当ですが、毎月支給されるわけではなく2月、5月、8月、11月の3カ月毎支給となります。

 

 ただし、正当な理由無く訓練に出頭しなかった場合は、手当の支給は停止されます。訓練招集命令書が発行された後で都合が悪くなった場合は可能な限り早く地本や担当部隊に連絡しましょう。特に即応予備自衛官の場合は勤続報奨金の支給条件にも関わってきますので、無断で出頭しなかったなどという事は絶対に無いようにご注意を。